
「ファクタリングで資金を早く調達したい」 そんな想いから業者を探していると、「即日入金」「審査不要」などの甘い言葉を掲げる会社に目が留まりますよね。ですが、その中にはヤミ金まがいの悪質な業者も紛れ込んでおり、実際に中小企業が大きな被害を受けた事件も発生しています。
本記事では、**2024年に起きた実例をもとに、悪質ファクタリング業者の「見分け方5選」**を紹介します。ファクタリングは本来、安全で有効な資金調達方法だからこそ、失敗しないために“見抜く目”が必要です。これから利用を検討する方は、ぜひ最後まで目を通してください。
ファクタリング事件簿
■債権買い取り装い高利貸し!大阪府警、東京の2業者8人を逮捕
「ファクタリング」と称しながら実際は売掛債権を担保に高利貸しをしていたとして、2017年1月、大阪府警は東京都中野区の業者「東洋商事」と「MINORI」の元経営者ら8人を**貸金業法違反(無登録営業)**の疑いで逮捕しました。
これらの業者は、資金繰りに悩む全国の中小企業約250社に対し、平成27年秋から28年11月の間に総額3億円以上を貸し付け、1億円以上の利益を上げていたとされています。
形式上はファクタリング契約であっても、実際には売掛債権を担保にした貸付であり、手数料という名のもとで法外な利息を徴収していました。府警によれば、ファクタリングを装ったヤミ金業者の摘発は全国初だったとのことです。
■「給料ファクタリング」で高利貸し ZERUTA社長ら7人逮捕
「給料ファクタリング」を無登録で行い、法外な利息を得ていたとして、2020年4月、東京都新宿区の業者「ZERUTA(ゼルタ)」の社長・足立慎吾容疑者ら男女7人が**貸金業法違反(無登録営業)および出資法違反(超高金利)**の疑いで警視庁に逮捕されました。
この手口では、客が「給料を受け取る権利」を安く売却し、給料を受け取った後に額面で買い戻す形式をとりますが、実態は高額の手数料を取る違法な貸付行為に当たります。
同社はコロナ禍で生活に困った人々を中心に、2018年6月以降に約9万7千人に約50億円を貸し付け、13億円の利益を得ていたとされています。利息は法定上限の14~31倍にあたるケースもあり、大きな社会問題となりました。
■ファクタリング装い高金利貸し付け ハートフルライフ協会の幹部ら逮捕
中小企業に法外な金利で金を貸し付けたとして、2020年5月、警視庁は東京都中央区の「一般社団法人ハートフルライフ協会」の代表理事・木下豊容疑者(当時50歳)ら幹部6人を**貸金業法違反(無登録営業)および出資法違反(超高金利)**の疑いで逮捕しました。
同協会は「ファクタリング」と称して契約を結び、「支払期日に入金がなければ返済不要」と説明していましたが、実際には繰り返し督促を行い、債権額を上回る高額な返済を要求していたとされています。
2016年11月~2020年4月の間に、香川県や宮城県の中小企業5社に対し、総額**約1億3千万円を貸し付け、利息として3千万円(法定利息の8~34倍)**を受け取ったとみられています。
チェックリスト:悪質ファクタリング業者を見分ける5つのポイント
以下の項目に1つでも当てはまれば、その業者は注意が必要です。
- 手数料が相場より極端に高い(30~50%以上)
- 契約書を提示しない、または内容が不明瞭
- 売掛金の入金先が業者の口座になっている
- 会社の所在地や連絡先が不明確/実体がない
- 口コミや評判が極端に悪い、または怪しげに良すぎる
見分け方①:手数料が高い
ファクタリングの手数料は、通常10~20%前後が目安です。ところが、悪質業者は30~50%以上の手数料を請求してくることがあります。
これは他の資金調達手段と比べても高い水準です。
- ビジネスローン(銀行系):年利3〜10%程度
- ビジネスローン(ノンバンク):年利10〜18%程度
- 商工ローンや街金:実質年利15〜20%前後
- 闇金(違法貸付):年利100%以上、月利30%超も
たとえば手数料50%というのは、1カ月以内の資金繰りで年利換算すれば闇金レベルといっても過言ではありません。
「信用が低い」「急ぎの対応だから」など、もっともらしい理由を並べて高額な手数料を正当化してくる業者には要注意です。また、「手数料の内訳を開示しない」「契約書に明記しない」といった不透明な対応も見分けるポイントです。
見分け方②:契約書を提示しない/内容が不明瞭
契約書を出さない、あるいは後出しする業者は危険です。書類が提示されても内容が専門用語だらけで不明瞭だったり、「断ると違約金」など強引な説明をしてくる業者もいます。
特に、契約書で以下のような項目が確認できない場合は注意が必要です:
- ファクタリングの対象となる売掛先や債権の金額
- 手数料の金額・計算方法・支払タイミング
- 売掛金の入金先(誰がどこに振り込むか)
- 譲渡通知の有無、通知方法(書面通知か口頭か、売掛先への送付義務の有無など)
- 契約解除の条件や猶予期間、違約金の発生条件など
正規の業者であれば、契約前にきちんと書面で説明し、質問にも丁寧に対応してくれるはずです。書面の提示を渋る業者とは契約しないのが鉄則です。
見分け方③:支払いが売掛先ではなく業者に集中
本来のファクタリングでは、売掛先から利用者への支払いを、譲渡後に業者が受け取るのが正しい流れです。しかし悪質業者は、「売掛先には通知しない」と言って、直接自社口座に入金させる手口を使います。
以下に、正規の流れと不自然な流れを図式で比較します:
正しい流れ(通常のファクタリング) | 不自然な流れ(悪質業者) |
---|---|
① 利用者 → 業者に売掛金を売却 | ① 利用者 → 業者に売掛金を売却 |
② 売掛先に債権譲渡を通知 | ② 売掛先には通知しない |
③ 売掛先 → 業者口座に直接入金(合法) | ③ 売掛先 → 利用者口座 → 業者口座(貸付構造) |
④ 手数料差し引いた金額を受け取る | ④ 高額な返済を請求される |
このように、資金の流れが複雑だったり、売掛先への通知がなかったりする場合は要注意です。ファクタリングを装った違法貸付=ヤミ金の典型的な構図に巻き込まれないよう、契約前に必ず流れを確認しましょう。
見分け方④:会社の実態が不透明
公式サイトに会社情報(商号・所在地・代表者名など)が掲載されていない、所在地がバーチャルオフィスやレンタルスペースだった場合、その業者は信頼性に欠ける可能性があります。
また、「訪問はできない」「担当者の名前が頻繁に変わる」といった対応も、実在しない・実態がない業者の典型的な特徴です。登記情報と照らし合わせる、現地住所を確認するなど、物理的な裏取りが有効です。
見分け方⑤:口コミ・評判が極端に悪い/不自然に高評価
GoogleマップやSNS、口コミサイトで、「高圧的な対応をされた」「契約後に音信不通」「手数料が話と違った」など、ネガティブなレビューが集中している業者は警戒すべきです。
また、逆に不自然なほど高評価レビューが並んでいる業者も要注意です。自作自演やサクラレビューの可能性があるため、口コミ内容の具体性や偏りの有無もチェックしましょう。
ファクタリング業者の評判をチェックする際におすすめの口コミ・比較サイトとして、以下が参考になります:
- ファクタリング比較ナビ:国内主要ファクタリング会社の手数料・対応・スピードを一覧比較
- 資金調達プロ:専門家による解説付きで、業者の信頼度がわかりやすい
- 口コミラボ(ファクタリングカテゴリ):ユーザー投稿型のリアルな体験談が確認可能
信頼できる業者かどうかを判断するためには、複数の情報源を比較して冷静に評価する姿勢が大切です。
2024年には、ファクタリングを装った違法貸付による逮捕事件が複数発生し、中小企業が大きな被害を受けました。この記事で紹介した「見分け方5選」は、悪質業者を回避するための実践的なチェックリストです。
- 手数料が相場より極端に高い
- 契約書を提示しない/内容が不明瞭
- 資金の流れが不自然(業者が直接受け取る)
- 会社の実態がつかめない
- 口コミが悪い/極端に良すぎる
ファクタリングは有効な資金調達方法です。しかし、選ぶ業者によってはリスクが大きく変わるということを、ぜひ覚えておいてください。